導く月と花に誓う
信じる心
不良か、コノヤロウ。
世のオバサマ方にシバいてもらえ。
「………砂狗」
「………え?」
心の中で悪態をついた時、突然の犬少年の言葉に、あたしはつい、素っ頓狂な声をあげてしまった。
「だから、俺の名前は砂狗だ」
「…へぇ…丁寧にどうも…」
まだ理解していない頭でぼんやり、答える。
「砂狗さまは犬神なんですよ」
ついていけてないあたしに、隣で狐燈が付け加えてくれた。
……ふーん…
「てめ…っ!狐燈…!
余計なことを…っ!」
それに、ぐるる…と唸りながら砂狗が声をあげる。
どうやら気性の荒い性格らしい。
あと、恥ずかしがりやっぽい。
「…わかったわかった。
あたし飛鳥の様子見てくるから
ちょっと大人しくしてて」
とりあえずどうどう、と宥めてから、 あたしは飛鳥のもとへ移動した。