導く月と花に誓う
しばらく数回のコール音が洩れていたが…
やがて、消えた。
それと同時に。
「…もしもし…?」
と、怪訝そうに飛鳥が発した。
しかし、相手がわかったのか、パァ…、と表情を一気に輝かせる。
それを見て、あたしはゆっくり、部屋から退散した。
それから、狐燈たちの方へ戻ると…
問題のヤツ(妖怪)は。
「…おい、そこの人間!」
…なんか、偉そうにふんぞり返っていた。
「………」
「茶くらい出せよ!」
……何様だよお前
「……狐燈」
「はい」
「どっかの廃水でも飲ませておいて」
「承知いたしまし…」
「承知すんじゃねぇ!
お前、俺を殺す気か!」
あー、もー、うるさい。
誰だよ、こいつ連れてきたの…
…あ…、あたしだ。