導く月と花に誓う
それを、目で追いかけた後…
はた、と気づいた。
…あれ…?
今出ていった時、犬の姿…だったよね…?
しかも、今の時間帯を考えると、
ここらへんはわりかし車の通りが多い。
…え、ヤバくない…?
「…狐燈…!」
「…あなたのお望みなら、なんなりと」
「……ありがとう!」
そう笑顔で言って、あたしも外へ駆け出した。
…たぶん、口では憎い憎い、って言うけど…
本当は…孤独で、誰も助けてくれなくて、寂しかったからなんじゃないのかな…
太陽は、ジリジリと容赦なく地面を照らし続ける。
そして、あたしの体力もそんなに残っていない。
むしろもう、限界を越えてる。
はぁ、と息をついて、周りを見回したその時。
──……見つけた。
とぼとぼ、と下を向いて歩いている特徴ある犬の姿…。
それと同時に、黒塗りの車がすごい速さで近づいてくるのが目に入った。