螺旋迷宮
今日はなんだか不調の様子。
日常会話が耳から流れ込んでくる。
シャットアウト出来ない。
あたしは無言のまま機械人形のように、カバンに荷物を詰め込む動作を中止しない。
手際が良い訳じゃない。
持って帰る物が少ないから手短に終わるだけのこと。
学校に用のないあたしは帰宅しようと思い、軽いカバンを持ち上げ肩にかける。
ドアへと足を踏み出した時、クレープ屋に向かうらしい女たちの1人のカバンがあたしに激突した。
王女様気分にならないあたしは、道を譲ろうと立ち止まる。