螺旋迷宮



あたしは床に視線を落としたまま、



「…平気だけど」



素っ気無くそう呟いては、早足に教室から退室した。



廊下へ足を踏み出し、一安心し、汚染された空気を一気に吐き出す。


腹の底から吐き出して、そして思う。



分かっている。



汚染されているのはあたしの周りじゃなくて、あたし自身なんだってことを。




「………」




大丈夫、大丈夫。


あたしはあたしでいられてる。



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