螺旋迷宮
けれどそれは道を横切る黒色の猫を見つけたことで停止する。
「?」
何かを咥えていたような気がする。
紙のような長方形のもの。
気のせいかもしれない。
猫が何をしていようが関係ないはずなのに、あたしは何故か気になってしまった。
漆黒のような、黒曜石のような、闇のような。
綺麗と思ってしまうほどの綺麗な毛並みをした黒猫に目を引かれる。
寄り道ばかりをするあたし。
真っ直ぐ家に帰る気は更々ない。
16時に学校を出て、どうして22過ぎて家に着く? と疑問をもたれるくらい、あたしはブラブラとそこら中を歩き回っている。