螺旋迷宮
迷子になったらそれまで。
別にどうなろうが構わない。
仮に何か悪いことがあって、そこらで死んでれば誰かが処分してくれるだろう、なんて自分のことなのに他人事のように考えてしまっている。
自分に愛着はない。
だからと言って、どうにでもなってしまえと思うほど人生を放棄している訳ではないけれど。
「………あ」
黒猫は細い裏道へと向かうべく角を曲がっていく。
見失ったら終わりだと思ったあたしは、急ぎ足へと変更して後を追うべく角を曲がった。
角を曲がったところで、あたしはハッとして足を止めた。
ここでやっと通常通りの意識が覚醒する。