螺旋迷宮
ここは…。
目の前は裏路地。
10メートルほど先は行き止まりだった。
右手に立つ大きな建物の裏扉へと続くだけの、人が1人しか通れないだろう道。
黒猫はいない。
さすがのあたしでも、ここはマズイと予感がする。
それが悪い予感なのかどうなのかは分からないけれど、良い予感ではないだろうと予想。
「………」
ひょこひょこと黒猫の後を追いかけて来てしまったけれど、あたしが通ってきた場所が普通の通りだったとは思わない。