螺旋迷宮




小学校中学校、そして高校と、先生たちが口を揃えて言う、何が起こるか分からないこの通りは立ち入り禁止の意味がここで分かる。


けれど分かったところでもう遅い。



空が闇色に包まれ始める。


同時に華やかになるここの通り。



目の前1メートル半の場所には危なそうな店から出てきた〝男〟の人。


女の人ならまだ可能性はあったのかもしれないのに…。



どうしよう、なんてもんじゃない。


もう既に脳内はパニックで、だけれど喚き散らすことすらままならないあたしは口を噤んだまま身を寄せるしかない。



勝手に思っていたことだけれど、唯一の味方の黒猫はお腹をいっぱいにさせて満足したのか、どこかへと行ってしまった。


味方はいない敵陣に取り残されたような感覚。



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