螺旋迷宮
崩壊なる世界
「起立、礼」
その声に続くようにして、生徒達は立ち上がってはダラダラと礼をした。
そこで放課後を知らせるチャイムが鳴り響く。
生徒達はそれぞれ帰りの支度を始めたり、部活へと足を急がせるなりしている中、あたしは机に突っ伏したまま昨日の男の人のことを考えていた。
とても印象的だった。
ああいうのを一度見たら忘れないというんだろう、と思うほどの美形男子だったものだから、余計に考えてしまう。
男に興味があるのかと聞かれればノーと答えるあたしだけれど、あれは別格だ。
まず第一に分類するのであれば、綺麗の枠だろうあの人に興味を持ってしまったらしい。