螺旋迷宮

崩壊なる世界





「起立、礼」



その声に続くようにして、生徒達は立ち上がってはダラダラと礼をした。


そこで放課後を知らせるチャイムが鳴り響く。



生徒達はそれぞれ帰りの支度を始めたり、部活へと足を急がせるなりしている中、あたしは机に突っ伏したまま昨日の男の人のことを考えていた。



とても印象的だった。


ああいうのを一度見たら忘れないというんだろう、と思うほどの美形男子だったものだから、余計に考えてしまう。



男に興味があるのかと聞かれればノーと答えるあたしだけれど、あれは別格だ。


まず第一に分類するのであれば、綺麗の枠だろうあの人に興味を持ってしまったらしい。



< 42 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop