螺旋迷宮




あの人と出会ってしまってから、クラスの男子が冗談抜きで芋に見える。


この違いは何なのだろうと真剣に考えてしまうほどだ。




昨日あれからあの人はあたしを安全な場所まで送り届けてくれた。


あたしはマフィンを食べ終わるなりこれからどうしようと考えていたのだが、そんなことをお見通しらしい男の人は無言のまま立ち上がったのだ。



『…え』



あたしの目の前をスーッと微かな足音すら立てずに通り過ぎていく。


ジーパンが似合うスラっと長い足がスイスイと前進する。



あたしは訳が分からずに視線だけで追う。


すると男はゆっくりと肩越しに振り返っては笑み一つすら浮かべない表情で言った。


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