螺旋迷宮



どんな奴がいるか分からないこの通り。



売春や麻薬取引など、あたしの住んでいる世界とはかけはなれている危ない事が行われていると言われている、とてつもない恐ろしい場所。



実際そんな場所に居る今だって怯えているのだ。


大概いつも強気でいるあたしだが、ここではそれが通じない。



頭の先からつま先まで、今にも震え上がりそうになっている。



マフィンを貰ったからと言って、この男が安全人物だと断定されたわけではない。



一見悪い人には見えないが、もしかしたら裏では犯罪まがいなことを繰り返している人かもしれない。


見た目だけでは判断できない。



『………っ』



改めてそう思った瞬間、この土地に居ることがとてもつもなく恐ろしく感じた。


あたしは本当にとんでもないところに迷い込んでしまったのではないだろうか。



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