幼稚園に行こう!!天然美少女☆狼王子
心臓がドクンと音を鳴らす。
陽希があたしの耳もとで囁いた言葉は
あたしの名前ではなく....
『シイナ』
.....そっか。
.....そうだよね。
ードンッ
あたしは陽希を思いっきり突き飛ばした。
その衝撃でやっと目を覚ました陽希。
「....俺...」
陽希はまた熱が上がっていたらしく
ポーーっとしている。
あたしはカバンを取り走って陽希の部屋を出て
全速力で階段を下りる。
「あっ陽菜ちゃん!!この運転手が送ってくれ...」
階段を下りたところで恵子ママに合った。
何か言ってたけど今のあたしには何も聞こえない。
「おじゃましました」
それだけ言ってなるべく
顔を見られないように俯いたまま玄関へ行く。
「えっ!?陽菜ちゃん!?待って...」
ーバタン
玄関の扉の音が響く。
「陽菜ちゃん...どうしたんだ??」
「私にも...わからないわ。」