幼稚園に行こう!!天然美少女☆狼王子
陽希があたしの腕を掴んでいた。
そしてあたしのことをじっと見据える。
「えっ、どうした....の??」
「......ぃくな」
「え....聞こえない...」
陽希が何か呟いたけど声が小さすぎてうまく聞こえなかった。
「....いや、なんでもない。」
そう言うと、パッと手を離した。
そして俯いて髪の毛をクシャっとした。
「ほら、担任待ってんだろ??」
「ぁ....うん。....じゃぁね」
なぜか、遠まわしに「早く行け」って言われてる気がして
この場を立ち去った。
あたしは階段を駆け下りる。
早くこの気持ち閉じ込めなきゃダメだよね....。
また溢れそうになる涙を乾かそうと
速く走って職員室に向かった。