恋

第一章 失恋

いつもと変わらない日々。
つまらなすぎて笑えてくる。
憧れの高校生活なのに毎日同じような日々がどんどん過ぎていく。
私はつまらない日々が続く度に非日常を望んでいた。
スリルのある高校生活を送りたいなぁ･･･。



「私、彼氏が出来たんだ。」

この一言で私の心のどこかの何かがパキンと割れた。
親友の崎原春が頬を真っ赤に染めて小さな声で言った。
夕焼けだったためより一層赤く見えた。

「へぇ良かったじゃん！やったね！相手は誰なの？」

笑っていつものテンションで聞いた。
だが、春はいつものテンションではなくいつもよりずっと大人しくモジモジしている。

「きっ･･･き･･･」

え･･･？
もしかして･･･。
その先を聞きたくなかった。
嫌な予感しかしないからだ。

「木本くん。」

絶望的だった。
私がずっと大好きだった人がまさか親友にとられるなんて…。

「その･･･本当にごめんね。亜柚の気持ち知ってたくせに。私ずっと木本くんのことが好きでそれで、あの･･･昨日告白されて私･･･その･･･」

どんどん声の小さくなる春は今にも泣きそうだ。
私は涙をグッと堪え笑った。

「そうだったの？！よかったじゃん！あっ、私のことは気にしちゃだめだよ！私はいつでも春の幸せを望んでるんだからね！」

満面の笑みで私はそう言い教室から走り去った。
後ろから「亜柚！」と呼んでいる声がするが無視して走った。