第二章 初めまして
どこに向かっていたわけでもないが私は屋上にいた。
風にあたりたかったし誰にも会いたくなかったからだ。

「・・・・・・。」

静かな風にあたると私の心の中の感情はすべて吹き出た。

「うぁぁぁぁあああん!・・・ひっく・・・なんでよ!ばっば・・・かぁ・・・なっなん・・・で・・・春・・・なのよぉ!」

ぼろぼろと大粒の涙が流れる。
私、最低な人間だなぁ。
親友の恋が叶ったのに嫉妬ばっかりしちゃって・・・。
この自分の性格が大嫌いで仕方ない。
本当に私って・・・

「ばーか。」

ん・・・?
私、声に出した記憶ないんだけど。
周りを見ると一人の男子が立っていた。

「誰?」

「うわっ!ひっでぇなぁ!同じクラスの奴の名前くらい覚えとけよ!」

「え・・・?」

同じクラスの顔と名前は全員覚えているつもりだった。
ましてやこんなにかっこいい男子を覚えていないわけがない。

「本当に、どちら様でございますか?」

恐る恐る聞いてみた。
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