ボクの物語
放たれた拳はコンクリートに
直撃した。


青年は男に押さえられていない
上半身をよじり
間一髪回避したのだ。


「ぐっ!ぉぉぉ…」


男の顔が苦痛に歪み
拳に集中した神経は
青年の不自由を解く事に一役買った。


青年は走りだした…


つもりが
雨水を含み、ずっしり重量化したブーツが
両の足の自由を奪う。


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