【完】甘い恋よりもそばにいて
「…莉華。お前何するつもりだったわけ?あの男と……」
「啓には関係ない……」
「お前はもう見失ったのか……大切なもん全部」
そのフレーズに聞き覚えがあった。
いつか二人でかわした会話。
夜の星空の下で……大切な人の話をした。
家族に友達……。啓は言ってたね。
【見失わないように生きていけると良いな、たぶん俺らが大切なものはこの星空くらいいっぱいあるから】
あのとき輝いて見えたんだ。
いつも見ていたはずの光景が全部キラキラ光ってた。
けど、今は違う。
「見失ったよ、全部。」
だって啓……あなたがあたしのつまらない日常の支えだったから。
あなたがあたしの光だったから。