【完】甘い恋よりもそばにいて
秘密とトリック
ふいに空を見上げたら
もうすっかり日が落ちて暗くなってた。
あたしは大学近くの通りを
携帯の画面に目をやる人の波を掻き分けて
力なくよたよたと歩いていた。
あたしの瞳から
とめどなく溢れ出す涙は
どんなに手で拭っても
それはまた頬を伝った。
だから下を向いて、
顔を隠していた。
たまに変な視線をどこからか感じだけど
泣いているのがこっちなんだから仕方ない。
メニュー
秘密とトリック