【完】甘い恋よりもそばにいて
時刻はPM11:25
静かに音をたてて
進む時計の針はそう示していた。
俺は莉華をソファーから
ひょいっと抱きかかえ
寝室へ連れて行った。
愛しい君は深い眠りについていた。
君の寝顔は
安らかで柔かで優しい笑顔だった。
それが俺のたったひとつの救い。
君を苦しませて出した答え。
その選択は君が傷つくと
知っていても気付かせたかった
真実。
君への愛に偽りなんかないんだ。
だから、
俺は勝たなきゃいけない。
君の愛するもう1人の男に。
どんな手を使っても。
俺は強くそう誓った。