【完】甘い恋よりもそばにいて
昼食を食べ終えたあと
先輩に連れられ、あたしはどこかへ向かって
歩いていた。
「先輩の用って?」
繋いだ右手から胸の高鳴りと温もりを感じながら
あたしは問いかけた。
「いとこの婚約祝いを…
女だから何がいいのかよくわかんねーし、
莉華に選んでもらった方が手っ取り早いと思ってさ」
「あたしが選ぶの?」
「あぁ、頼む。予算とか気にせずに選んでいいから」
出たよ、リッチマン発言。
それは軽くスルーして。
「どんな系統のものがいい?」
「アクセサリーかジュエリー系統。女ってそういうの好きだろ?」
「まあ、嫌いじゃないね」
あいまいな返答。
だってあたし自身、好きか嫌いか分かんないもん。