【完】甘い恋よりもそばにいて
あたしたちは
自分の思い通りにならないことから
目を背けて、
逃げ続けてはいられない。
欲しいものを得るために
手段を選ばない……
そんな子供ではいられないのだから。
今はけじめのとき……
あたしたちに
選択の余地はない。
ずっとわかっていた。
啓を愛して生きていきたい
でも、あたしには
できない。
だから必死に
互いを拒み続けてきたのかもしれない。
「莉華は……
俺の光みたいな存在なんだ。
暗闇を照らす、一筋のヒカリ……」
啓はあたしの右隣に座り
ボソッと言った。
「啓もあたしを
照らし続けてくれた光だよ…?」
かすかな笑みとおだやかな声で
感情を表す。
今にも溢れそうな涙と
嗚咽を押し殺して。