【完】甘い恋よりもそばにいて
ふーっと目を閉じて息をつく。
「つらい?」
啓は耳元でささやく。
「ううん…」
あたしは首を思い切り
横に振って否定する。
「じゃぁ…何が不安?」
啓はまた疑問を口にする。
「うん、まぁいろいろと…」
半泣き一歩手前の声。
「心配すんな…。
全部、うまくいくから…」
啓はあたしの肩をやさしく抱いた。
「なんでそんな…言い切れるの…?」
「俺の想いがお前を守るから」
そう言って
あたしの額にキスを落とす。
「そっか…ありがと」
「愛してる…」
甘い耳打ちが降ってくる。
あたしは軽く笑って反論する。
「あたしのほうが
ずっと、ずっと…愛してるよ」