【完】甘い恋よりもそばにいて
終末
「ちょ、先輩…痛いょ」
先輩はそんなあたしの声を
聞こうとはしてくれない。
あたしは右手首を
強く握られ連れまわされている。
行先はわからない。
ただむすっとしてて
あたしの方を見ようともしてくれない先輩。
怒ってるよね…
完全に。
先輩との約束破っちゃったし
先輩のいないところで
あんなことまで……
しちゃったし。
さっきのことを思い出すと
まだ少し頬が赤くなる。
先輩に後ろめたさが
無いって言ったら
嘘になってしまう。
先輩は観覧車の乗り場の前で
怖い顔して立っていた。
だから、そう…
すぐに先輩に捕まって
今にいたる。