【完】甘い恋よりもそばにいて
嵐の幕開け
はじめに行くはずだった第1の目的地……それはあたしの出身高校。
第2の目的地それは今どき流行らない……おっとそれは失礼か、
まあよく言えば、とても……懐かしい香りの漂う居酒屋。
ここまで言えば分かったかな…?
というか言わなくたって気づいてたんじゃない?
そう……これは同窓会。
できればここに来たくはなかった、
けれど別に予定があったわけでもなかったから半ば無理やり波羅に連れてこられたのだ。
でかでかとしたのれんをくぐって店に入った
「あら!!波羅ちゃんに莉華ちゃんじゃないか……遅かったね、もうみんな飲み始めてるよ!!」
懐かしくて暖かい声がした。
「おばさ~ん、元気だった?」
波羅が明るい声でそう言った
この人はこの居酒屋の看板娘……じゃなくて看板夫人だ。
とっても気さくで明るくて……高校時代はあたしも波羅も本当にお世話になった人
「お久しぶりです」
あたしはそう言って軽く会釈した