Crossroad〜私の選ぶ道〜
徹と桃香と話した時に私は十分傷ついたと思っていた。
だけど、それが些細な事だった。
それぐらい彰吾が口にした桃香の言葉に心を抉られて。
ずっと……
ずっと……
私は自分に対して嘘をついていた。
それが……
まさか他の人を傷つけていたなんて気付かずに。
私は自分だけ傷ついていたと思っていた。
だけどそれは間違いだった。
そして……
今日の事は過去の自分が蒔いた種だったんだ。
「俺は二度と顔を見せるなって怒鳴りつけた。あいつは涙ひとつ見せずに部屋を出ていった」
「……徹は?」
「俺に一言だけ言葉をかけてから追いかけていった」