Crossroad〜私の選ぶ道〜



日付が変わる頃、エレベーターを降りた彰吾は部屋の前に座り込んでいる徹を見つけた。



徹は本当に彰吾を待っていた。



「昨日も寒かったし、さすがに部屋に上げた。徹は黙ってコーヒーを飲んでて」



だけど沈黙は長く続かなかったと言葉を続けた。



徹は初めて自分の胸の内を打ち明けた。


それは今日私に話した内容とほとんど変わらなかったらしい。



だけど……



「アイツは俺に頭を下げたんだ。もし……」


「もし?」


「もし……まだ俺が菜月を想っているなら、菜月を助けてやって欲しいって」





『……助けたい』




昔の記憶が蘇る。





< 114 / 151 >

この作品をシェア

pagetop