Crossroad〜私の選ぶ道〜
―選択―
「彰吾の気持ち嬉しいって思った。白状だって分かってる!だけど……」
鍵の開けられた気持ちはどんどん心に浸透していて。
目の前にいる彰吾から気持ちを打ち明けられた今。
それをもう隠し通すことは出来なくて。
――――彰吾が好き
あの時伝えられなかった言葉を音にしようとした瞬間。
「――来月から中国支社に転勤なんだ」
その言葉の後、肩に乗せていた手を静かに降ろされた。
触れている指先が震えていて。
その震えが伝染するかのように私自身も震えだした。