Crossroad〜私の選ぶ道〜
「好き。徹と結婚を考えてたけど、彰吾がずっと好きで。だけど伝えられなくて、でもどうしていいのか分からなくて……っ」
グッと伸びてきた腕に上半身が抱きしめられる。
運転席から身を乗りだすようにした彰吾の肩に顔が埋まる。
フワリと香るその匂いが昔から好きだった……
彰吾の香り。
「俺らって馬鹿だよな」
「……うん」
「遠回りして違う人と付き合って」
「う……うん」
「あの時からお互い想い合っていたのに……伝えるのにこんなにかかって、周りの人間傷つけて」
囁くように紡がれる言葉が私を少しずつ落ち着かせてくれる。