Crossroad〜私の選ぶ道〜



そのまま机の上にビールを置いた母は優しい声で話してくれた。



「結婚ってね、考えてするもんじゃないの。あっ、考える事も必要なんだけど」


「はは。どっちなの?」


「何かが違うのよね。説明は難しいんだけど。好きって気持ちだけでも難しいし」


「そうなんだ」


「ある程度の打算や妥協は誰にだってあるわ。でもね、先の長い人生それが多く占めてると、いつかはダメになる日が来ると思うの」


「打算……」


「菜月を見てると徹君に対してそういうことしか考えてないように見えたの。女親として辛口で言えばね」



母の言葉に対してあるのは胸の痛み。





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