Crossroad〜私の選ぶ道〜
「俺も……同じ気持ちだった」
そう言った徹の顔が目の前で揺れていて。
違う。
そうじゃない。
ギュッと目を瞑ると頬に伝う液体。
イワナイデ……
キキタクナイ……
どこかで自分の心が叫んでいて。
なのに体は硬直したように動かなくて。
耳を塞ぎたいのに。
「俺達……」
「……菜月」
聞き覚えのある柔らかい声がすぐ近くで聞こえた。
顔を上げると、2カ月ぶりに見る親友の顔。
「も、桃香……」
「私達、自分達の気持ちに気付いたの」
彼女はそう呟いてから……
徹の横に腰を下ろした。