Crossroad〜私の選ぶ道〜



目の前の二人がハッとした表情を浮かべたのと同時に、徹の背中越しに男性が立ち上がった。



さっきまでテーブルに突っ伏していた人。


ニット帽を脱いで振り向いたその人。



「え?」


「彰吾!」


「……」



振り返った二人が今、どんな表情をしているのかは分からない。



名前を呼んだ桃香と言葉が出ない徹。


このタイミングでの彰吾の登場は予想外だとその態度が語っていた。



だけど唖然とするのは彼らだけじゃない。



どうして今、この場に彰吾が現れたのか私にも理解が出来ない。





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