Crossroad〜私の選ぶ道〜
「問題を……吐き違うなよ?」
落ち着いた声が横から聞こえた。
その声の主は私だけを見ていて。
だけどその目には同情心は浮かんでいない。
まるで……
全てを受け止めてくれているように感じるのはどうして?
「正当な理由でお前を責めてるけど、考えてみろよ」
「……えっ?」
「こいつらは……菜月や俺の仕事が忙しくて寂しかったって言ってるけど、事実はひとつ」
「事実?」
「どんな理由であれ、俺達を裏切ったのはこの二人なんだよ」
「裏切った……」
「どれだけいい訳を並べても、先に裏切ったのはこの二人で。責める立場であっても責められる立場じゃないんだ、菜月は」