Crossroad〜私の選ぶ道〜
「……最初から、私と結婚する意志はなくて……別れるつもりだった……って事?」
「それは……」
「私は、真剣に徹との将来を考えてた。勝手な部分はあったかもしれない。でも……ホントに真剣だったんだよ?」
目の前にいる徹しか見えなくて。
その顔がどんどん青白くなっていって。
噛みしめる唇が血の気を失っていって。
そんなに噛んだら血が出ちゃうよ?
そんなどうでもいい事考えてて。
「俺は……」
「徹!」
何か言いかけた徹の腕を勢いよく掴んだのは桃香。
隣からは低いけど少しだけ暖かみの感じる彰吾の声。