Crossroad〜私の選ぶ道〜



ブルゾンのポケットから車のキーを取り出した私は、少し足を早めて彰吾の横に並んだ。



「これ」


「あぁ」


「車、買ったんだね」


「忙しくてほとんど乗れないんだけどな」



彰吾から差し出された手の上に鍵を乗せるとチャリッと音がする。



一瞬指先に触れた感触。


少し冷たかった。


だけど触れた指先はその冷たさと反比例するかのように熱を持って。



自分の全神経がその一点に集まったような気がした。



だけど、どこかで気付いていた。



もう6年前じゃない。


その現実に。


そしてもう。



あの頃の私達じゃないと……





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