Crossroad〜私の選ぶ道〜
すでに食べ終えた彰吾は缶コーヒーを飲んでいて。
最後の一口の大根を口に放り込むと、膝の上に置いていた容器の感触がなくなった。
「捨ててくる」
「ありがとう」
ドリンクフォルダーに缶を置いた彰吾は、空になった容器を外のゴミ箱へと捨てに行った。
息を吐き出した。
あんな事があったのに、どうしてこんなに落ち着いているのか。
どうして私は……
こんなにも普通なんだろう。
答えは分かっていても、どこかで認められない自分がいて。
数時間前まで、私は結婚を夢見ていた。
半年後の結婚に対して真剣に向き合っていた。
それが今、別の男性と……
彰吾と一緒の時間を過ごしている。