Crossroad〜私の選ぶ道〜



「最初から間違ってたんだ」


彰吾の口から最初に飛び出した台詞。


目を瞑って話を聞こうと思っていた私にとって場違いな言葉。



「さっき、気付いた」


「さっき?」


「なんで、6年前に交わした会話を覚えてたんだろうって運転しながら考えてた」



ハンドルに覆いかぶった彰吾は、フロントガラスの向こうにある何かを見ていて。


私はその横顔を眺めていた。



「菜月が、だよ」


「私が?」


「なんで菜月が覚えてたんだろうって」


「え?」



ドクン……



心臓がはねあがった。



どうして私が覚えてたかって。



それは……



絶対に言えない事。



彰吾にだけは絶対に……





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