あの場所で─。
そんな私に気づいた光ちゃんが言った。
「ほら、優衣が笑ってんじゃんか…
てか優衣の用事は?」
「あ、そうだ、忘れてた…。
朝ね、真奈美さん今日は隆弘さんとデートに行くから光ちゃんは今日私の家でご飯食べなさいって真奈美さんが伝えてって」
真奈美さんとは光ちゃんのお母さんで隆弘さんは光ちゃんのお父さん。
2人とも40代なのに見た感じ若い。
私のお母さんとお父さんも同い年で4人とも大学生からの付き合いらしい。
今でも仲がよく4人で旅行にも行くし家も隣。
光ちゃんは頭を掻きながら言った。
「良い年こいてまたデートかよ…。
わかった、部活終わったら紘之連れて優衣ん家行くな」
紘之(ヒロユキ)くんとは光ちゃんの弟くん。
絋くんは中学生でとても可愛い。
とてもなついてくれる。
「うん、わかった。部活頑張ってね!上原さんも頑張ってね!
応援してるっ」
光ちゃんは不思議な顔をするが上原さんは笑顔で「ありがとう!」と行った。