あの場所で─。
「あ、えっと優奈ちゃん
まず離して…」
「優奈、優衣ちゃんが苦しそうだから離してあげなよ」
真さんが助け船をだしてくれた。
優奈ちゃんはそれに従うように私から離れた。
「ごめんごめん、久しぶりだったから…。」
私は菜々美ちゃんと同じ位置になるようにしゃがんだ。
「ななちゃん、元気だった?」
「うんっ、元気だよ!
あのねあのね!ゆーちゃんにこれあげるっ」
そう言って菜々美ちゃんは手を出した。
菜々美ちゃんの手には消しゴムが乗っかっていた。
「ななね、優衣に何かあげたいって言って買ったの
なら何時も使うものって言って消しゴム買ったの」
優奈ちゃんが代わりに言った。
菜々美ちゃんの手にある消しゴムは可愛いウサギのキャラクターが書いてあってとても可愛い。
「ななちゃん…ありがとう!大事にするねっ」
「うんっ」
そう頷き可愛く笑ってくれた。