あの場所で─。
キーンコーンカーンコーン──。
授業の終わりのチャイムがなった。
「あっ、授業終わっちゃった…。ごめんなさい、起こせば良かったのに俺まで…。」
川嶋くんが申し訳なさそうな顔をしたので慌ててフォローした。
「あ、あの大丈夫だよ!
寝てた私も悪いから。
気にしないで、ね!」
ニコッと笑って言ったら川嶋くんは手で口元を隠し、私から目を反らした。
「あ、いや…。
あ、俺もう行くね!優衣先輩またね!」
川嶋くんの顔はほんのり赤かった。
どうしたんだろう?と思いながら見送った。