いつまでも想い続ける〜切愛〜
「えっ…?」

僕は目を疑った。

目の前にはずっと会いたいと願った大切な人。

鈴のついたゴムで髪をハーフアップに結んで、にっこりと笑うと鈴の音がチリリンと鳴る。

「す…ずね…?」

「森山くん!こんにちわ!」

鈴祢が笑った。

僕は鈴祢を抱き締めた。

でも腕が空を切る。

あぁ、やっぱり君はこの世にいない人なんだね。

「ごめんね?私森山くんに触れることもできなくて…」

「いい。触れなくても、会えただけで…」

「森山くんは泣き虫だね」

鈴祢はクスクスと笑った。

僕は涙を流していた。

「約束。守りに来たよ。」

僕はうなずいた。

「大好きです。ずーっと前から森山くんを見てました。
だから森山くんが明るくなってくれて嬉しかったよ」

「ありがとう…」

「お礼よりも告白の返事が聞きたいな」

鈴祢が顔を赤く染めてうつむく。

あぁ、君をこんなにも抱き締めたいのに僕は君に触れることはできない。

それが悔しくてたまらないよ…

「俺も鈴祢が大好きなんだ…」

「両想いだったんだ…。早く言っちゃえばよかったなぁ…」

鈴祢は哀しげに笑った。

僕は鈴祢をもう一度抱き締めようとした。



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