秘密の恋愛レッスン

こっちの話?

「そんな事より…由美、本当に覚えてねぇの?」
「う…うん」

和弥はワザとらしく「ハァ」とため息をついた。

「由美が熱でぶっ倒れそうって電話で言ったから、俺が駆けつけたワケ」
「全然覚えてないよ…」
「まぁ…無理もないか。熱38.5℃あったしな」
「…そんなに!?」

すると、スッと私のオデコに手をあてた。

「まだ微熱あるな。お粥作るから、寝とけ」
「い…いいよ。悪いし」
「ばーか。病人は黙ってろって」
「…ありがとう」

和弥には、助けられてばっかだよね。
私も、何か和弥の役に立ちたいよ。
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