利己的ヒーロー

「はいはいはい、激! まぬけ顔ですよォ美少年クン?」
銃声の発信源をもった男は、そうふざけた様に言って、狂ったように笑った。

「だめだねェー? ガキがこんな危ないモンもっちゃあ。センセー怒っちゃうぞー?」
言うと、まだ固まっている青年の手から剣を取り、それの品定めを始めた。

と、顔に皮肉な笑みを張り付かせたまま、こりゃ売れるな、と呟いて袋にいれる。



「な、な……、待て!!それは僕の剣だ!」
やっとショックから回復した青年が、慌てて男に怒鳴った。


しかし、何故だか男は急に真剣な表情になると、青年の肩をつかんだ。

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