極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
雄「もしもし?あぁ、拓馬か…―
着いてから詳しい事は聞く。てめぇ、逃げんなよ?」



兄貴はそう低い声で呟くと、私の腕を掴んで家を出る。

父親が私たちを追って来ると、兄貴が車のキーを投げて「○○病院まで運転してくれ」と頼み、私を後部座席に座らせた。



父「何があったんだ」



雄「わかんねぇよ――ッ!!
でも、拓馬が夏輝が血まみれとか、追い詰めたとか言うし…」



私は兄貴の腕を掴み、俯いた。

…夏輝は…大丈夫…。

そう、自分に言い聞かせるしか、出来なかった。

早く会って声が聞きたい。

早く会って安心したいよ。
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