極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
俺が、優奈にそうさせたんだ。

愛理華と雄也にそう話すと、拓馬が重い口を開いた。



拓馬「俺が、提案したからなんだ…」



雄「――は?」



拓馬の今にも泣き出しそうな事も気にしない、雄也の怒りの満ちた声。

愛理華も俺をチラッと見て、拓馬を見た。



拓馬「俺、夏輝君と愛理華が付き合い出した時、ずっと隠してた気持ちが、溢れたんだ。
愛理華が好きだって…」



愛「何…言ってんの…?」



愛理華は動揺しながら俺と雄也を見る。

雄也は目を閉じ、拳を背中へと隠した。



拓馬「雄也君には、申し訳ないけど…ずっと好きだった…」



俺は愛理華の腕を引き寄せる。

その光景から、拓馬はそっと目を背けた。
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