極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
拓馬と入れ代わりに姿を現した組長は、話を全て聞いて居たのか、何も言わず、俺らから離れた位置にある椅子に座る。

俺は愛理華と手を繋いだまま、優奈の処置が終わるのを待つ。

しかし、ランプが消え、立ち上がった俺の手から、愛理華の温もりが消えた。



医「麻川優奈さんのご家族の方は?」



雄「家族にはまだ連絡が取れてなくて…。
けど、俺らが伺います。よろしくですか?」



医「構いませんよ。
出血のわりには、傷も深くなく、心臓には達していませんから。
直に目も覚めるでしょう」



雄「…そうですか。ありがとうございました」



雄也が頭を下げると、医者は「お大事に」と、去って行く。
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