極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
夏輝は優奈の手を離そうとする。

しかし、優奈は離さない。



優「夏輝、パパに言っても良いのよ?」



夏「……」



夏輝は優奈の父親に勝てない。

夏輝の父親がリストラされた時、再就職先を教えたのが、優奈の父親だった。

俺は何も言い返せない夏輝に目配せをし、病室を出た。

喫煙ルームに入り、将人に電話をする。



将『はい』



雄「俺だ。
今すぐ麻川財閥のバックを調べるんだ。組によっては、今夜、潰す」



将『了解。
…雄也さん?』



雄「何だ?」



将『夏輝さんは…』



雄「無事だから安心しろ。
ただ、しばらく帰れないと思うから、頼むな」



俺がそう言うと、将人は電話を切った。
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