極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
―――拝啓、氷野米愛理華様
季節が秋めいて参りましたが、如何お過ごしでしょうか。
手紙を書けた義理ではございませんが、夏輝さんの事で、嫌な思い、迷惑を掛けた事を謝りたく、筆を取った次第です。
、大変、申し訳ございませんでした。
先日、白石拓馬君から、妊娠・結婚をされると伺いました。
おめでとうございます。
幸せをお祈りさせて下さい。
せめてものお詫びと思って頂けましたら、幸いです。
私は今、人生をやり直す気持ちで、父親の秘書として働き、IT企業の社長さんとお付き合いをしています。
広い視野を持てず、兄と夏輝しか見ていなかった私にとって、初めて世間の広さ、考えを改める事が出来た出会いでした。
後ろを振り返る時も、これからの長い人生ですし、あるとは思いますが、私は彼と歩んで行こうと思います。
夏輝と過ごせた日々は、糧として、生きて行きたいと思います。
長くなりましたが、お身体に気を付けて、元気なお子様を産んで下さい。
―――かしこ。麻川優奈