極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
第三章―第3候補は生意気組員―
決めた筈の想い
私は1人、覚悟を決めて、家に帰った。
すると、家に着くなり、パシンと頬を叩かれた。
愛「っ………」
私は頬を押さえながら、上を向く。
そこには、兄貴が居た。
雄「人に心配させて何してた!」
愛「別に…」
私が兄貴から目を逸らす。
雄「拓哉と密会か」
けれど、すぐに視線を戻した。
…何で知ってんの?
私は兄貴に目で訊ねた。
雄「夏輝が捜しに行った時、見たらしい。で、どうなんだよ」
愛「密会なんてしてない…。
たまたま会って、話を聞いて貰っただけ…」
私が下唇を噛みながら答えると、兄貴が“部屋に来い”と言った。