極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
私は迫って来る珠樹から逃げようとすると、ドンッと、私の肩を押し、壁に押し付けて来た。

腕を組み、私を見下ろす珠樹の顔は、悪魔みたいだ。



珠「愛理華ちゃん、拓馬君に、恋でもしたわけ?(笑)」



珠樹が“ちゃん”を付ける時は、悪巧みがある時。

私はブンブンと左右に顔を振り、否定をする。

私は兄貴より年上が良いんだ。

…拓馬はあり得ない!!



珠「拓馬のタラシが直れば、雄也ーユウヤーさんより年上だけど、完璧だもんね?(笑)」



愛「や…」



雄也とは、兄貴の名前。

私は入り口を見て固まった。
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